「お葬式は無駄」を信じてはいけない

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最近のお葬式のポイントは「低価格化」「シンプル化」が2大キーワード。できるだけ無駄を省き、華美な装飾を避け、価格は事前に比較検討してできるだけ安くする、という人が増えています。
シンプルが加速して「葬儀は不要!」と言う人も出現していますが、実はコレは心の病に発展しかねない危険な考えであることも認識しておかなければなりません。葬儀は単なる儀式ではありません。これから起こりえるさまざな悲しみのプロセスを乗り越える大切な一幕なのです。

 

葬儀を軽視している人は要注意

葬儀に対してこのように思っている人はいませんか?!

【間違い1:葬儀はできるだけ早く行ったほうが良い】
「少しでも早くお葬式が終われば、平穏な生活にもどり自分達のリズムを取り戻すことができるに違いない。そうすればいくらかでも苦しみがまぎれるかもしれない……。」そう考える人も多いかもしれません。しかしその行為は悲しみを否定していることにつながりかねません。悲しみを通り抜けて向こう側にたどりつくには、真正面からぶつからなくてはいけないのです。

【間違い2:身内だけで送ったほうがいい】
「死を受け入れる余裕もないまま儀式と弔問客への接待に縛られるような葬儀は無駄!」と思ってはいませんか。故人の死を悲しんでいるのは身内だけではないでしょう。故人の死を一緒に受け止めたいと思っている人たちを締め出してしまうことは、その人たちから得られることになるかもしれない支えも拒否することになります。

【間違い3:通夜・葬儀の儀式は不要】
人類は、今日まで儀式を大切にしてきた生き物です。人生の節目節目の場面で「通過儀礼」が日本に限らず、世界中で行われています。儀式を通じて指針や精神的なつながりを得ることができました。
儀式を軽んじると悲しみを受け入れられずにいる期間をいたずらに長引かせる結果にもつながってしまいます。

 

葬儀を行う理由は……

葬儀はどのような役割を担っていると思いますか?

 

  1. 社会的な処理
  2. 遺体の処理
  3. 霊の処理
  4. 悲嘆の処理
  5. 感情の処理

このような処理を整理するための儀式と言われています。
その中でも、特に今回注目したいのは「悲嘆の処理」と「感情の処理」。

ひと昔前までのお葬式の形といえば、地域社会で営まれるものがほとんどでした。多くの人の手を借りて、支えを得ながらお葬式の準備を進め皆で送ったものです。このように死を認識して仲間との共同作業を進めるうちに、悲しみを乗り越えるためのプロセスが自然と行われていたものでした。
「業者任せ」の葬儀が一般的となってしまった昨今では葬儀の意味が薄れがちですが、葬儀という儀式は次のような重要な役割を担っていることを忘れてはいけません。

  • 現実を受け止める手助けをする
    「ウソだ……」死を目の前にしたとき、誰もがそう思うことでしょう。儀式はこの出来事を現実のものとして受け止める手助けをします。感情的に受け止めるにはまだ時間がかかりますが、事実を確認することは悲しみを乗り越えるための第一段階として非常に大切なプロセスです。
  • 友人や家族が集まるチャンスを与える
    集まった友人・知人は遺族の心の支えとなります。
  • 精神的な支えを得ることができる
    宗教的な儀式を行うことによって、精神的な支えを得ることができます。
  • 故人の人生を振り返る助けとなる
    故人と向き合い、過去の思い出を振り返ることができます。
  • 大きな変化・区切りを認識する
    人間は、変化や区切りをつけるためにさまざまな儀式を行ってきました。儀式は次へのステップへの足がかりとなります。
  • 故人に対する気持ちを他人にわかってもらう機会を与える
    故人に対する思いを発散できるチャンスでもります。

 

手作り葬儀のすすめ

著述家であるバージニア・ハイン氏は著書の中で「手作りの儀式は、昔から行われていた同種の儀式の一部も果たす。」としたうえで、手作りの葬儀を勧めています。

「手づくり葬儀」と聞いて何か難しいこと、面倒なことを連想する方もいらっしゃるでしょう。しかしそんなに難しいことではありません。私たちは、だれもが一度や二度はさまざまな「手作りの儀式」を行っているはずです。例えばお誕生日には花を飾ったり、プレゼントを買ったり、ケーキの準備をしたり……。

最近の葬儀の場合、花も業者、料理も業者、お礼状も業者、返礼品も業者……すべてが業者まかせになってしまい、自分で手を加えることが少なくなってきています。確かに業者任せにすることは、「余計な手間が省けて故人と向き合える時間ができる」という面もありますが、ひとつでも手作りでお別れをすることによって、お別れときちんと向き合えるというメリットがあります。

簡単にできる手作り葬儀のをお教えしましょう。

  • 故人への手紙を書いて棺に納める
  • 故人のスナップ写真を集めて、皆に見てもらえるように自分で飾る
  • 業者に任せた花とは別に、自分で買って飾ってみる

他にもさまざまなアイディアがあるはずです。時間があれば自分で足を運んで葬儀で使用するお線香や抹香を買いに行くのもいいでしょう。故人とのお別れをするために何かを考えて実行することが大切と言われています。

死別に対する心構えができている人などいません。どんな人にも悲しみや苦しみが訪れ、心にストレスを感じます。
解決方法は人それぞれですが、葬儀を行ってきちんとお別れすることもひとつの手段であると、多くのカウンセラーなどの専門家が提言しています。「お金ばかりかかる葬儀は無駄!」と切り捨てずに、悲しみを乗り越えるための大切なプロセスなのだということを心に留めておいたいですね。

 

 

出典元:All About

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