一緒の墓に入りたくない……墓から考える「死後離婚」

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「死後離婚」とは

扶養義務解消を目的に「姻族関係終了届」を提出する人もいます。

「死後離婚」という言葉が2015年あたりからクローズアップされています。

書類上は、夫婦のどちらか一方が亡くなった場合、

死亡届を出すことで婚姻関係は解消とみなされますから、仮に離婚したいと考えても離婚届は出せません。

では、「死後離婚」はどのような意味で使われているのでしょうか。

「死後離婚」を口にする人の多くは、夫に先立たれた妻たち。

配偶者が亡き後も姻族関係、つまり婚姻によって発生した親族関係は続くのですが、

「姻族関係終了届」を出すことでその関係を終わらせることができます。

民法に規定された親族間における扶養義務を解消することを目的として「姻族関係終了届」を提出する女性が多いようです。

葬儀・お墓の分野では、「死後離婚」を書類上のことではなく、

祭祀・儀礼の部分で「婚家と距離を置く、離れる」という意味で使用されています。

ここでは墓問題に注目して「死後離婚」を考えてみます。

一緒の墓に入りたくない

インターネットメディア「WooRis」(運営:小学館)が既婚女性371人に行ったアンケート調査(2016年)によると、

「自分が亡くなったとき、夫と同じ墓に入りたいと思いますか?」という問いに対して

「入りたい」が66.6%、「入りたくない」が33.4%と、3割以上が夫と同じ墓に入ることに抵抗を示しています。

「入りたくない」理由には、

「死んでまで一緒にいたくない」

「自由になりたい」

「死んでまで夫の面倒を見るような気がしたので」

「気が休まらない」

といったコメントが寄せられました。

「一緒の墓に入ろう……」そんなプロポーズの決めゼリフはもはや通用しない時代になっています。

戦前までの「家制度」の名残もあって、「長男の嫁は婚家の墓に入らなければいけない」

と決めつけている人もいますが、現民法では家制度のような縛りはなく、墓を別にすることに法律上の問題はありません。

 

「一緒の墓に入りたくない」という人の理由を聞くと、「夫が嫌い」という意見のほか、

「嫁姑関係が悪かった」「離婚や再婚などで家族関係が複雑になってしまった」などそれぞれ事情が異なります。

「一緒の墓に入りたくない」からといって、自分が入る墓を購入すれば問題が解決するというわけにいかないのが墓問題の難しいところ。

墓は単に遺骨を納めるモノではなく、それを管理(供養)していかなければいけません。

例えば、夫婦が別々の墓に納骨された場合、守っていく子供たちは2つの墓所を管理していくことになります。

さらに自分たちはどちらの墓に入るべきか悩むことも出てくることでしょう。

逝く側の思いと送る側の思いが共有されていることが大切になってきます。

跡継ぎ不要の「永代供養墓」、「実家の墓」を検討する人も

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承継者を必要としない「永代供養墓」は今後ますます注目されるでしょう。

現代の日本の墓といえば、「〇〇家の墓」として子々孫々継いでいくタイプのものをイメージしている人が多いでしょう。

しかし、家制度がなくなり、離婚率や生涯未婚率の上昇、出生率の低下などを背景に、

家族で守っていくことを前提としない墓が注目されるようになりました。

霊園・墓地の管理者が永続的に供養・管理してくれる「永代供養(管理)墓」というものです。

納骨方法は他人と一緒に入る「合葬」「集合」もあれば、個人や夫婦で入ることができる「個別」もあり、

また形態も納骨堂タイプや樹木葬タイプなどさまざま。

ひと昔前までは、「永代供養(管理)墓」といえば、

「行き場のない遺骨を納める」

といった寂しいイメージがありましたが、今では現代のニーズに合った形のものが次々と登場しています。

また、

「嫁ぎ先の墓ではなく、実家の墓に入りたい」

という女性も増えています。

実家の墓守をしている名義人と、寺院など管理者の了承があれば入ることはできます。

その場合、誰がどのように墓を管理していくのか、また寺院の檀家であれば、

どのように檀家としての付き合いを続けていくかなど、親戚間でよく話し合っておくと良いでしょう。

確固たる理由がない人も少なくない

現状では、

「夫が嫌」

「再婚して複雑化」

「婚家との関係が悪い」

という理由で「一緒の墓に入りたくない」という意見が多いのですが、

「関係は悪くないけど関係を続けていくことが面倒」

「そもそも家に対する帰属意識がない」

「どちらかというと実家の墓に入りたい」

など、NOという確固たる理由がない人も少なくありません。

家という枠組から解放され、女性が自由なライフスタイルを選べるようになった社会になって久しいですが、

死後の世界においてもその変化の波が「墓」を通じて感じ取ることができます。

 

出典:All About

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